男女別不妊の原因-男性編-
今や日本でも多くのカップルが悩まされる不妊の問題。
不妊の原因は男女ともに存在します。
前回の記事では女性側の原因についてお伝えしました。
今回は、男性側の不妊の原因についてご紹介します。
■男性側の原因
男性に考えられる不妊の原因を、起こり得ることが多いものから順にお伝えします。
1.乏精子症
その名の通り、精液中に含まれる精子の量が乏しい状態のことを指します。
通常、1mlの精液には1500万の精子が存在します。
しかし、乏精子症の男性はこの数を下回る数の精子しか含まれず、重度になると500万を下回る場合さえあるのです。
これだけ重度になれば、もちろん夫婦生活による自然妊娠は難しいと考えられるので、体外受精などの対象になります。
また、乏精子症は自覚症状が全く表れないので、診断しなければ分からないという難点もあります。
女性側にのみ問題があると思いこんで診断を受けておらず、男性側が乏精子症である、という事態も考えられるので、不妊に悩むカップルの男性は診断を受けるようにしましょう。
2.無精子症
乏精子症の次に原因であることの多い無精子症。近年増加傾向にあり、100人に1人は無精子症であると言われている程です。
無精子症には閉塞性と非閉塞性の2種類があります。閉塞性の場合、精巣上体炎など何らかの原因で精管が塞がってしまい、精子が出てこれなくなっている状態です。
非閉塞性の場合、多くは原因が分かりません。先天性の場合が多いようです。
こういったタイプの無精子症の方には顕微鏡下精巣精子採取術という手術がなされるようになってきており、無精子症と診断された方の4割もこの方法で精子が発見されるのが現状です。
3.精子無力症
精子無力症とは、乏精子症、無精子症とは異なり、精子は存在するけれどもその内元気な精子が少なくい、精子の運動率が極端に低い状態を指します。
多くが先天的に原因があるとされ、過度の喫煙、おたふくかぜによる精巣炎、前立腺炎などの後天的な原因も考えられます。
いかがでしたか?意外なことに男性側にもこれだけ多様な原因が存在するのですね。
不妊治療に関してはカップルが男女ともに協力していくことが重要です。
お互いに原因になり得る症状がないかきちんと確認し、二人で不妊治療に取り組んでいきましょう!