プロラクチンが高いとどうなるの?

不妊治療のクリニックで血液検査をした際、プロラクチンの数値が高いと指摘を受けたことがありませんか?

プロラクチンは主に脳の下垂体から分泌されるホルモンです。

通常、女性では妊娠中や授乳中に分泌され、母乳の生成を促進する働きがあります。

妊娠や授乳をしていないときに数値が高い場合は妊娠の抑制になり、不妊の原因になります。

 

1. 高プロラクチン血症と妊活の関係

プロラクチン値の正常値は5ng/ml前後です。

15ng/ml以上になると、高プロラクチン血症と診断されます。

高プロラクチン血症はどんな影響を及ぼすのでしょう。

 

排卵障害

プロラクチン値が高いと、脳は妊娠していると勘違いしてしまうため、卵胞刺激ホルモン(FSH)やエストロゲン、黄体形成ホルモン(LH)の分泌に影響を及ぼし、排卵が抑制されることがあります。

月経不順

プロラクチンの過剰分泌は、排卵障害と同様に女性ホルモンの分泌に影響を及ぼすため、卵の成長を妨げてしまいます。

結果、月経が不規則になったり、無月経(生理が止まる)になったりすることがあり、これも妊娠しにくくなる要因の一つです。

黄体機能不全

プロラクチン値が高いと黄体機能が低下することがあり、妊娠維持に必要なプロゲステロンというホルモンが十分に分泌されなくなってしまいます。黄体機能不全は着床障害や妊娠初期の流産リスクが高まることもあります。

2. 高プロラクチン血症の原因

高プロラクチン血症の原因には以下のものがあります。

  • ストレス
  • 下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)
  • 薬剤:一部の薬(抗うつ薬、抗精神病薬、降圧薬など)がプロラクチン値を上昇させることがあります。
  • 甲状腺機能低下症:甲状腺機能が低下すると、代償的にプロラクチンが上昇することがあります。
  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):ホルモンバランスが乱れている場合、プロラクチン値も高くなることがあります。

3. 高プロラクチン血症の治療と妊活への影響

高プロラクチン血症が妊活に影響を与える場合、適切な治療が必要です。

薬物治療

プロラクチンが高い原因が腫瘍や薬剤性の場合、**ドパミン作動薬(ブロモクリプチンやカベルゴリンなど)**を使用することがあります。これにより、プロラクチン分泌を抑制し、ホルモンバランスが改善されます。

甲状腺機能の調整

甲状腺機能低下症が原因の場合、甲状腺ホルモン補充療法を行うことでプロラクチン値を正常に戻すことが可能です。

ストレス管理

プロラクチン値がストレスによって上昇している場合、ストレス管理が重要です。

ヨガ、瞑想、カウンセリングなどのストレス軽減法を取り入れることが妊活において有効です。

 

5. 高プロラクチン血症の自然療法や生活習慣の改善

お薬など病院の治療でホルモン値を下げることは可能ですが、生活習慣やストレスケアも大切です。

  • ストレスを避ける。溜めないように工夫する。
  • 適度な運動
  • バランスの良い食事:栄養バランスの取れた食事を心がけ、血糖値の急上昇を避けるようにします。これはホルモンバランスの維持に役立ちます。

6. まとめ

高プロラクチン血症は、ホルモンバランスを乱し、妊娠のための排卵や月経に悪影響を与える可能性がありますが、適切な治療と生活習慣の改善により改善することが可能です。

原因となる病気がない場合、体が頑張りすぎているというサインでもあります。

妊活中はご自身のお体に目を向けて、整えていきましょう。

 

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不妊治療専門 アクア鍼灸治療院
院長 松本茂文
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